成人成長ホルモン分泌不全症が疑われる場合は、次のような手順で診断いたします。
問診

- 小児期に成長障害があった(小児期発症の場合)。
- 疲れやすい、スタミナ低下、集中力低下、気力低下、うつ状態、性欲低下などの自覚症状を伴うことがある。
- 皮膚が薄く乾燥している、体毛の柔軟化、体脂肪(内臓脂肪)の増加、ウエスト/ヒップ比の増加、除脂肪体重の低下、骨量の低下、筋力低下などがある。
- 脳の視床下部や下垂体の病気やその治療を受けたことがある。または、頭部に外傷を受けたことがある。
身体測定

問診の後、身長、体重、腹囲の測定、場合によってはCTやMRI検査を行います。
成長ホルモン分泌刺激試験
成長ホルモンは1日の間に波のように出ていて、年齢や性別によっても大きく変化しています。そのため、診断には成長ホルモンの分泌を刺激する薬を投与(注射)し、その人が成長ホルモンをどのくらい分泌できるかを調べます。これは「成長ホルモン分泌刺激試験」という検査で、その結果と主な症状、これまでにかかった病気などを総合的に判断して診断します。
子どものころに成長ホルモンでの治療を受けていた場合でも、再度「成長ホルモン分泌刺激試験」を行って成人成長ホルモン分泌不全症の診断を行います。
子どものころに成長ホルモンでの治療を受けていた場合でも、再度「成長ホルモン分泌刺激試験」を行って成人成長ホルモン分泌不全症の診断を行います。
成長ホルモン分泌刺激試験について
成長ホルモンの分泌能力を調べる検査で、検査薬を投与した後、きまった時間ごとに採血して血液中の成長ホルモンの分泌状態を調べます。
成長ホルモン分泌刺激試験について
- 成長ホルモン分泌刺激試験に用いられる薬物
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- インスリン負荷 ・・・0.1U/kg静注(低血糖に注意。但し、下垂体、副腎皮質機能低下の疑われる場合には0.05U/kgとする)
- GHRP-2負荷 ・・・100μg
- アルギニン負荷 ・・・最大30gを30分間点滴静注
- グルカゴン負荷 ・・・最大1mgを皮下注射
検査に用いる薬物は上記の中から医療機関にて選択されます。
これらの結果をもとに、
成人成長ホルモン分泌不全症かどうかを診断します。

※症状のある方全てがこの病気とは限りません。また、成長ホルモンだけではなく、複数のホルモン分泌が不足していることもありますので、治療については内分泌の専門医がいる施設に相談するのがよいでしょう。