医療費について
医療費助成制度の全体像
成長ホルモン治療は治療期間が長く、診察代やお薬代など高額な医療費がかかります。
しかし、高額となってしまう医療費を助成してもらえるさまざまな制度があり、それらを活用すれば自己負担を抑えることができます。
本記事では、18歳未満のお子さんが対象となる主な医療費助成制度のうち、特に成長ホルモン治療とかかわりが深い「小児慢性特定疾病医療費助成制度」と「高額療養費制度」について、記載しています。低身長で成長ホルモン治療が必要と診断されたお子さんは、「小児慢性特定疾病医療費助成制度」を活用できる場合があるためです。
まずは、活用できると医療費の助成割合が大きい「小児慢性特定疾病医療費助成制度」について、お子さんが対象となるかどうかを確認してみてください。もし対象とならなくても、「高額療養費制度」を活用できる場合があります。
また、自治体ごとで医療費助成制度を設けていることがありますので、最新の制度内容についてはお住まいの都道府県など各自治体のwebサイトを参考にしてみてください。
小児慢性特定疾病医療費助成制度とは?
制度の内容
治療や経過が長期に及ぶような小児の慢性疾患のうち、医療費が高額になるような特定の疾患について、医療費の自己負担の一部を公費で助成する制度です。18歳未満の小児が対象ですが、18歳以上でも引き続き治療が必要と認められた場合には、20歳未満までが対象となります。
対象となる疾患
成長ホルモン治療が適応されるさまざまな疾患の中で、「小児慢性特定疾病医療費助成制度」の対象となるのは以下の疾患です。
「小児慢性特定疾病医療費助成制度」の
対象となる疾患※1
- 成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く)
- 成長ホルモン(GH)分必不全性低身長症(脳の器質的原因によるものに限る)
- 先天性下垂体機能低下症
- 後天性下垂体機能低下症
- ターナー症候群
- プラダー・ウィリ症候群
- ヌーナン症候群
- 軟骨無形成症・軟骨低形成症(軟骨異栄養症)
小児慢性特定疾病の対象疾病リスト
医療費助成の基準
疾患ごとに決められた基準を満たしていれば、助成を受けることができます。
基準には「開始基準」「継続基準」「終了基準」の3つがあり、治療を始められる際は「開始基準」を満たしているか、治療を継続される際は1年ごとに「継続基準」を満たしているか、治療を終える際は「終了基準」を満たしているかを確認します。
詳細な基準については、以下のホームページに記載されています。
・小児慢性特定疾病情報センター 小児慢性特定疾病における成長ホルモン治療の認定について
また、もし基準を満たしていない場合でも、後述の「高額療養費制度」等を活用して医療費助成を受けられる可能性もあります。
自己負担額、医療費助成を受けるための手続きの流れ
自己負担額や医療費助成を受けるための手続きの流れについては、以下のホームページに記載されています。
<自己負担額上限額>
・小児慢性特定疾病情報センター 小児慢性特定疾病の医療費助成に係る自己負担上限額
<手続きの流れ>
・小児慢性特定疾病情報センター 医療費助成 手続きの流れ
高額療養費制度とは?
制度の内容
医療機関の外来・入院、調剤薬局などの窓口で、1か月間に支払った医療費が自己負担の上限額を超えた場合に、超えた分が助成されます。助成は、加入されている医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など)から支給されます。
助成の対象となる医療費
保険適用の診療に対して支払った自己負担額が対象となります。
- 保険適用の診療※に対し、
患者さんが支払った自己負担額 - ※健康保険を用いた時に同じ診療内容であれば自己負担額が同じになる診療のこと
- 食費
- 居住費
- 自由診療(保険適用にならない診療)
- 患者さん希望による医療サービス
(差額ベッド代等) - 先進医療にかかる費用
自己負担額、医療費助成を受けるための手続きの流れ
自己負担額や医療費助成を受けるための手続きの流れについては、以下のホームページに記載されています。
・厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆様へ
その他の医療費助成
制度の内容
その他、18歳未満を対象とした主な医療費助成制度については以下があります。
- 乳幼児医療費助成制度
- 子ども医療費助成制度
- ひとり親家庭等医療費助成制度
- 重度心身障害者医療費助成制度
医療費助成制度の対象となる年齢・所得制限の有無などは、各自治体によって大きく異なるため、制度名とお住まいの都道府県名・市区町村名で検索してみてください。