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低身長Q&A

他の子に比べて
うちの子は背が伸びていないようなのです。

幼稚園の頃にはお友達の中では真ん中くらいの背だったのに、小学校に入学してから、どんどん前の方になっています。他の子に比べてうちの子は背が伸びていないようなのです。低身長の検査をした方がいいのでしょうか。

子どもの成長については、時期も程度も個人差があります。他の方と比べて、大きい、小さいということだけであれば、まずは成長曲線を用いて、+/-2SDの範囲に入るかどうか、確認ください。ただし、年齢とともに背の順が大きく変わることは、2歳以降、二次性徴が始まるまでの間は、通常はありません。もし大きく変化する場合には、医師の診察を受けられることをお勧めします。

成長ホルモン治療は
効く人と効かない人がいるのですか。

現在、成長ホルモン治療をしているのですが、期待するほど背が伸びていないようです。どうしてでしょうか。成長ホルモン治療は効く人と効かない人がいるのですか。

成長ホルモンを注射したからといって、目に見えて身長が伸びるというわけではありません。成長ホルモン治療は、分泌不全のホルモンを外から補うことによって、その子が本来もっているはずの力を引き出すことが目的で、その反応には個人差があります。一般的には、治療前の分泌不全の程度が深刻な方ほど、その成長を取り戻す形で良好な伸びを見せるといわれています。また、一番よく伸びる期間は治療を始めてから1~2年間とされています。

成長ホルモンは何歳まで使うことができますか。

成長ホルモンは背を伸ばす薬だと聞いたのですが、何歳まで使うことができますか。

成長ホルモンの治療効果が期待できるのは、骨端線が閉じていない間であり、概ね年間3cm以上の成長率を示す期間です。この時期は個人差があり、一概に年齢で示すことはできません。暦の年齢とは少し異なりますが、骨の成熟具合からみる年齢(骨年齢)では、男性で17歳、女性で15歳が中止の基準となります。また小児慢性特定疾病の基準では、男性女性それぞれ成人の-2.5SDの身長に達したところで治療が中止となります(更新が認められません)。

成長ホルモン治療の他に
できることはありませんか。

成長ホルモン治療を受けたかったのですが、診断基準に合わず、治療の適応ではないため治療していません。親としてはなんとか大きくなって欲しいと思いますが、他にできることはありませんか。

医学的に明らかな根拠をもって身長を伸ばす可能性がある薬剤は成長ホルモンのみです。一方、成長ホルモン治療の目的は低身長の改善であり、現在国内での一般的な治療到達目標は-2.5SD (成人身長で、男性約155cm、女性145cm)であることにご留意ください(上記)。
他、成長に関して大切なことは、バランスの良い食事をとって良質な蛋白(卵、魚、肉、豆等)を十分摂取することです。良質な睡眠や適切な運動も良いでしょう。

小学校にあがる前に
詳しく検査をした方がいいでしょうか。

39週、体重2,020g、身長40cmで生まれ、低出生体重児といわれました。幼稚園ではいつも1番目に小さいのですが、その後、特に問題なく育っています。最近、小学校の入学を前に本人も気になっているようです。現在の身長は-2SDです。親も身長が小さな方だったので、子どもも小さいとか、ゆっくり大きくなるのかもしれないと思っていますが、小学校にあがる前に詳しく検査をした方がいいでしょうか。

在胎週数に比して出生体重が低いお子さんをSGAとよびます。場合によって成長ホルモン治療の対象となることがあります。ご心配であれば、一度専門医の先生を受診し、相談されることをお勧めします。

生まれてから10か月で15cm。
このところ急に伸びなくなっているので
心配です。

息子は7ヶ月で62cm、8480gで、10ヶ月では65cm、8460gでした。生まれたときは50cmあったので、生まれてから10ヶ月で15cmしか伸びていないのです。それなのに、このところ急に増えなくなっているので心配です。離乳食がうまくいかなかったり、上の子どもの風邪をもらったりなどのことが重なったので、そのせいではないかと思いますが、きちんと調べてもらった方がいいのでしょうか。

この頃の身長は、おもに栄養と関係があるといわれていますので、食事に注意して離乳食を十分摂取出来るよう心がけてください。かかりつけの小児科医に離乳指導や栄養指導の相談を受けてみてください。

成長ホルモン分泌刺激試験とはどういうものですか。
小さな子どもでも大丈夫ですか。

娘は4歳になったときに低身長でスクリーニング検査を受けたところ、主治医より成長ホルモン分泌刺激試験をした方がいいと言われました。この試験はどういうものですか。小さな子どもでも大丈夫ですか。

成長ホルモンの血液濃度は不安定で、1日の中でも大きく変わるため、数回の採血で成長ホルモンの分泌の程度を知ることは困難です。このため、成長ホルモン分泌刺激試験が行われます。試験は、成長ホルモンの分泌を促す薬剤を投与し(経口投与する薬もあれば、点滴で投与する薬やまたは静注や筋注する薬剤もあり、全部で6種類の薬剤があります)、その反応をみることで成長ホルモンの分泌の程度を正確に知る検査です。具体的には朝食を食べずに薬剤投与前、その後30分おきに2時間にわたって計5回採血をして、その血中の成長ホルモンの血中濃度を測定します。原則幼少のお子さんでも安心して受けられる検査です。詳細については、主治医の先生にご確認ください。
※採血の間隔や回数は、使用する薬剤によって異なります。

専門の先生のところに行くようにと言われました。どういう先生に何と相談したらいいですか。

娘の身長が低いことで悩んでいます。インターネットで成長ホルモン治療やターナー症候群という病気について知りました。なんとなく、身体的な特徴があてはまるような気がしています。かかりつけの先生に相談したら、専門の先生のところに行くよう言われました。どういう先生に何と相談したらいいですか。

成長ホルモンを含む内分泌領域を専門とする小児科医は、日本小児内分泌学会のホームページに掲載されています。受診される際のご参考としてみてください。

早くに初潮を迎えた場合、あるいは早い時期から急速に身長が伸びると、
その後の身長の伸びが悪くなることがあるのですか。

知り合いのお子さんで、小さいころ体格が良く、その後早くに初潮を迎え、身長があまり伸びずに終わったという話を聞きました。娘は小学3年生ですが、胸が膨らんできて、生理も始まりそうです。そうなると、もうあまり身長は伸びないのですか。

思春期自体はだれにでも訪れるものですが、それが普通よりも極端に早くきてしまうことを思春期早発症といいます。この疾患の問題は、基礎になんらかの病気が隠れている可能性があること、思春期が早く来ることで結果的に心理社会的負担となったり最終身長が低くなる場合があることです。ご心配な場合には、医師の診察を受けることをおすすめします。

風邪の時、旅行などで泊りがけの時の注射はどうしたらいいのですか。

成長ホルモン治療を始めることになりそうです。毎日、自分で注射をするそうですが、風邪の時でも注射はするのですか。また、旅行などで泊りがけの時にはどうしたらいいのですか。

基本的に成長ホルモンは風邪をひいても少しくらいの熱があっても注射してかまいませんが、本人があまりにしんどかったりよく眠れないなどの時には1~2回中断しても構いません。