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低身長の治療

成長ホルモン補充療法とは

低身長の治療には、成長ホルモン補充療法などが行われます。成長ホルモン補充療法は、低身長や成長障害を示す方の中でも、成長ホルモン分泌不全性低身長症のほか、ターナー症候群、SGA性低身長症、SHOX異常症、ヌーナン症候群、軟骨異栄養症、腎不全など、定められた疾患が原因である方に対してのみ、使用が認められています。その他、慢性的な病気が見つかった時はその病気の治療を行います。例えば、甲状腺機能低下症に対しては、甲状腺ホルモンの投与を行います。
成長ホルモンはタンパク質でできているため、錠剤などで内服しても胃で分解されてしまい効果が発揮できません。そのため、注射で補充する必要があります。
注射といっても毎回病院に行く必要はなく、自宅で注射をします。注射の器具は扱いやすいように工夫されており、だれでも扱うことができます。針も短く細いため、刺す痛みもあまり気になりません。小さいうちはご両親などが注射し、自分でできるようになれば本人が行います。

成長パターン

治療の効果

治療の効果は、治療開始年齢と、治療前の成長ホルモン不足の重症度に大きく影響されます。治療を始めて1年目に最も身長が伸び、他のお子さんに追いつくように伸びます。その後徐々に成長速度が落ち、3年目以降は他のお子さんの成長速度と大きな差はなくなってきます。成長ホルモン治療の目的は、低身長の改善であり、平均の身長を達成することではありません。治療への反応も個人差があります。あせらずに経過を見守ることが大切です。

治療の副作用

成長ホルモンは元々体内にあるホルモンと同じ物質なので、通常、深刻な副作用は起こりにくいと考えられています。成長ホルモン分泌不全症に対する成長ホルモン治療は、不足したホルモンを補う治療(補充療法)であるため、基本的に体に対して想定外の影響がでる可能性は極めて少ないと考えられます。一方それ以外を理由とした成長ホルモン治療は、薬理量(身体の中にある成長ホルモン量に加えて投与するため、結果的に通常の人よりも多くなった量)を用いるため、より慎重な治療が必要です。ただし、これまでの治療経験から、現実的に大きな副作用が問題となることはほとんどないと考えられています。