1.低身長の分類

 成長障害の原因にはさまざまなものがあります(表)。まず、子どもの成長を調節する成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどの不足があります。また、染色体異常症のなかにも成長障害を起こすものがあります。(ターナー症候群など)。また、子宮内発育不全で生まれた子どもの一部は小さいまま成人になる場合があります(SGA 性低身長症)。
 骨や軟骨の異常(軟骨無形成症など)や、心臓・腎臓・肝臓などの主要臓器の病気、そして愛情遮断症候群などで代表される心理社会的要因も成長障害の原因になります。
 病気でないものとしては、両親または父親か母親が低い場合の家族制低身長などがあります。ホルモンに異常がなく原因がはっきりしない場合もあり、特発性低身長と呼ばれます。また、発育のテンポが遅く、思春期も遅くてあとで正常身長に追いつく、いわゆる「おくて(低身長を伴う思春期遅発)」もありますがこれは成人にならないと診断がつきません。

成長障害をもたらす主な原因